ある社長の家出調査体験談
私は会社で経理財務の担当者です。
そのため、売掛代金の回収も私の担当になります。
お取引先は、中小企業様が多いのでちょっとした手違いで入金されていないということはよくあるのですが、今回、探偵事務所を使うの初めてでした。
探すのは、ある取引先の社長です。
弊社とはずっと長いことおつきあいがあり、売掛金の支払いも遅れたことはありませんでした。
しかし、先代の社長が急逝して、息子が社長について暫くして今回の事件がおきました。
入金されてないので、電話をかけても繋がらない。営業担当者と事務所に出かけてみるともぬけの殻です。
自宅も当然同様のもぬけの殻です。
売掛金は、全部で500万円。さすがに倒産はしませんが、ちょっと応える金額です。
夜逃げ状態ですので、法的な倒産はされていません。
となると、社長を探し出すしかありません。
そこで、担当者である私は、知人の紹介から、探偵事務所に伺い、社長の家出人捜索を依頼したのでした。
探偵事務所に依頼はしましたが、こちらでも多少は調べます。
幸い特殊な商品を扱っていますので、お取引先の同業者から、ある程度の理由が利きだすことができました。
家出調査の結果
この二代目社長、先代は結構成功した社長さんだったので、そこそこ資産があり甘やかされて育ったそうです。
そこで、先代が急逝して社長を継いだのですが、世間知らずのところがあるのですが、社長です。
社長、社長とおだてられて、友人が増えていきましたが、そこにはちょっとたちの悪い人も含まれていたみたいです。
その人たちに、そそのかされたのかはわかりませんが、一緒に新しい事業をやるということで、出資をして連帯保証人になったようです。
当然、その人たちは用事が済んだのでドロンしてしまい、一気に借金取りが彼の所に押し寄せてきて、ノイローゼ。
どうしようもなくなった彼は、逃げ出したようでした。幸か不幸か、彼の母親は小さいころに死別して、現在独身。兄弟はいません。
なので、身軽な身の上です。後先考えずに、夜逃げしたようでした。
そこまでわかったところで、探偵事務所から連絡が。
隣県のアパートに潜んでいたようです。
さすがに甘やかされて育っているのでしょう。実名でアパートを借りたのであっさりと判明したようです。
早速、隣県まで出向いていくと観念したのか、きちんとこちらに向き合います。
ここで幸いなことには、彼は父親の資産の一部を持参していました。
それらの一部を換金してこちらの債権は回収。
後は、ちゃんと今後の相談にのってあげ、弁護士を紹介してあげました。
結局彼は、弁護士に助けられて今回のことを清算して事なきを得ました。
ページ上に戻る